hikari【短編集】
そんな訳だから、つい最近母校に行って、教育実習の内諾をもらってきた。
杉田は希とのことであの高校を辞めたから、まだ何も知らないのだ。
ちなみに、杉田と仲が良かったらしい英語の藤崎先生もどこかへ異動になったのか、姿が見えなかった。
まぁ…助かった。
藤崎先生から杉田に伝わる事態を避けることが出来たのだから─
俺のこの夢を知っているのは、大学でつるんでる奴らと希だけだ。
「…中津?」
「……っ!な、なに!?」
「いや…難しい顔してたから。なんか悩みでもあるのか?」
悩み……悩み、ねぇ。
「まぁ…な。俺だって悩みの1つや2つあるよ。」
「ふーん……高校時代のお前からは想像もつかないな。いつもお気楽で、何とかなるさ精神だったのに。」
………何だよ、それ?
俺、杉田にそんな風に思われてたのかよ……