hikari【短編集】
結局その日、杉田が部屋から出てくることはなく…
俺は希とお互いの近況を話したり、茉央を相手にヒーローごっこをしたりして、楽しい時間を過ごした。
で、帰り際……
「悠哉。かーくんが出てきたら、今日のことちゃんと聞くから。また後で連絡するね?」
「りょーかい!手間かけるな。…悪かったよ。」
「ううん、別にいいよ。今までのこと考えたら、こんなのまだ小さいって!」
それはどういう意味だ…
まるで俺がずっと希に迷惑かけっぱなしだって、そう聞こえるじゃないか─
「ほら、茉央。悠哉お兄ちゃんにバイバイは?」
「ゆうやおにいちゃん、バイバーイ!またあそぼーねー!」
希の言葉にちょっと引っ掛かってた俺だが、茉央の満面の笑みを見て、そんなことはどうでもよくなった。
「おう!またな、茉央!希も……ありがと。」
「うん。じゃ、後で。」