hikari【短編集】
★結婚式 side nozomi
「かーくん!次、これ着て!」
「…はいはい。」
上機嫌であちこちにかーくんを引っ張り回す私に、かーくんは呆れ顔だ。
もう2ヶ月前になる。
長い間結婚に反対だった私のお父さんが、ようやく結婚を許してくれた。
それを受けて、私たちは早速結婚式の準備に取りかかった。
私は妊娠してるし、早めにしないと式が挙げられなくなっちゃうから…
それでもやっぱり、結婚式は一生に一度のもの。
最高にいいものにしたいからと、私は結構こだわってるんだ。
「うーん…やっぱりこっちかな?いや、でもなぁ…」
で、今はかーくんの衣装合わせ中。
「希……これ何着目だよ?いいじゃん、もう…」
自分のウェディングドレスはすぐに決めたのに、かーくんのタキシードには迷っちゃう。
「ダメ!!」
「……はぁ。」
私の旦那様だもん。
カッコよく見えなきゃヤダ!
……って、いつもカッコいいんだけどねー?