hikari【短編集】
呆れた様子のかーくんを尻目に、私はそれからも何着か試してみた。
「よーし!これが一番いいね。きーめたっ!」
ようやく気に入ったものを見つけた時、かーくんはやっと終わった…とでも言いたげな表情をした。
「ふふー♪かーくん、カッコいいー♪」
「お前なぁ……」
衣装合わせで着ただけなのに、携帯で写真を撮り出す私にかーくんは苦笑い。
「希、ドレスの時は恥ずかしいってろくに見せてもくれなかったのに……」
「いっ…いいじゃん!式でいっぱい見れるんだから!」
「…そのセリフ、そのままそっくり返したいよ。」
最もな意見に何も言えなくなった私は、目に涙を溜めて上目遣いでかーくんを見つめてみる。
「………っ、」
かーくんの弱点は涙。
…最近確信したんだけど。
「私……かーくんのカッコいい姿見たかっただけだもん……」
「……ごめん。ちょっと言い過ぎた。」
ほらね?
すぐ謝ってくれる。
こんなことする私…
ちょっと小悪魔かな?