hikari【短編集】
「希、はい。ココア。」
家に帰ってしばらくして、かーくんがココアを淹れて持って来てくれた。
「あ…ありがとう。」
「外、寒かったからな。風邪でも引いたら大変だし……」
そう言って、かーくんは私の肩にカーディガンをかけてくれた。
そして、そのまま後ろからギュッと抱きしめる。
「……っ!///」
「希……」
優しい声と、背中から伝わる温もりに私は思わず目を閉じる。
「もう寒くない?」
「…うん、暖かい。」
ココアの入ったカップを近くの机に置き、かーくんの腕の中でくるりと反転して抱き付いた。
かーくんは一瞬びっくりしたような顔を見せたけど、すぐに笑って抱きしめ返してくれた。
「なんか…2人一緒に抱きしめてるみたいだな。」