hikari【短編集】
2人……
私と赤ちゃんのことか。
「俺……ちゃんといいパパになれるかな?」
「…うん、なれるよ。」
大丈夫。
かーくんなら…大丈夫。
むしろ…私の方が心配。
最近少し目立ってきたお腹に毎日触れて話しかけているうちに、この子への愛情と共に芽生える不安。
まだ先だけど、鼻からスイカっていうくらいの出産の痛みに耐えられるのかとか、産んだ後もちゃんとママやっていけるのかな?とか……
結婚式のこともだし、色々考えることがたくさんある。
「……希?どうした?」
「…………」
返事の代わりに、かーくんの服をギュッと掴む。
「…希、心配いらない。俺が側にいるから…」
かーくん……
「誰だって初めてのことは不安だよ。初めから何もかも完璧に出来たらおかしいだろ。…な?」