hikari【短編集】
とどめの一撃とばかりに、かーくんはそんなことを言った。
顔を覆っている手をそっと離すと、目の前には優しい笑顔を浮かべたかーくん。
「かー…くん。」
「一生幸せにするから。」
何回聞いても嬉しいその言葉は、私の涙腺を刺激する。
「…泣くなよ、希。」
「だっ、てぇ……」
そんなことを今言われて、泣かないでいる方が難しいよ……
「こら…せっかくの可愛いメイクが崩れるぞ?」
お母さんと同じようなことを言って笑うかーくん。
「さて……そろそろ時間だし、出ようか。」
もう時間なんだ─
なんとか涙を止め、私はかーくんに手を引かれて立ち上がった。