hikari【短編集】
お父さんは始めは私たちのことを反対していたけど、今では心から私の幸せを願ってくれている。
その気持ちが痛いほど伝わってきて、私はもう涙を止められなかった。
「希……大丈夫か?」
突然泣き始め、その場から動かなくなった私に、かーくんが優しく声をかける。
「…うん。ごめんね…もう、大丈夫だから…」
涙を拭き、もう一度かーくんの腕を取ると、かーくんは安心したかのように微笑んだ。
少し長くなった入場も終わり、音楽が止まる。
「では只今より、新郎杉田 一真と、新婦篠原 希の結婚式を執り行います。」
長い白い髭を生やした神父さんが、意外と慣れた様子の日本語で喋っていた。
その後まず、招待客も交えた全員で式歌を歌う。
なんか隣にいるかーくんより悠哉の声が目立って聞こえるのは、アイツがバカでかい声で歌ってるから…?
音痴だとは思いたくないので、私はそうに違いないと信じることにした。