hikari【短編集】
「では、指輪の交換を。」
次は、指輪の交換。
私はガチガチに緊張して手が震えてて、指輪を落としてしまわないかとヒヤヒヤした。
一方のかーくんは私と違って余裕かと思いきや、同じように手が震えてて、思わず笑ってしまった。
「…では次に、誓いの言葉を。」
いよいよ来た…
結婚式のメインだよね。
「新郎、杉田 一真。あなたは新婦、篠原 希を、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います。」
長い誓いの言葉に、かーくんは微塵の迷いもない返事をする。
その横顔を盗み見て、ドキッとしたのは秘密だね。
「新婦、篠原 希。あなたは新郎、杉田 一真を、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「…はい、誓います。」
同じ言葉で問われた私は、かーくんに向けていた視線をすぐに戻し、決意を込めて答えた。