hikari【短編集】
「「おめでとー!」」
それから式は無事終わりを迎え、私とかーくんは腕を組みながらチャペルを出る。
その道中、花びらを持ったみんなにたくさんかけられちゃったけど─
「…希。頭の上、花びらいっぱい乗ってるぞ?」
「えー?やだ、取っ……んっ、」
『取って』と言おうとしたのに、かーくんは私の言葉を遮り、唇を塞いだ。
やだ、もう……
みんな見てるのに─
「ヒューヒュー!」
「お熱いねー、お2人さーん!」
案の定、悠哉をはじめとした高校時代の友達にからかわれ、私は赤面。
「もー!かーくんっ!?」
「…いった!」
調子に乗るかーくんの胸元に一発拳を入れると、かーくんは全然痛くなさそうなリアクションをする。
「ブーケトス行くよー!」
そんなかーくんは放っておいて、私はブーケを手にみんなへ背を向けた。