hikari【短編集】
「希……じっとしてろよ?」
「え?な、なに?…キャッ!!」
周りの歓声。
フワッと宙に浮く体。
どうやら私は今…
かーくんにお姫様抱っこをされているみたいだ。
なんで私…
お姫様抱っこなんか…
「…!か、かーくんダメ!私重いし危ないから…早く降ろして!」
「いやだ。」
まだそんなに大きくなってないとは言え、私のお腹には赤ちゃんがいる。
普段でも重いのに、今お姫様抱っこなんて、かーくんが腕痛めちゃうよ…
「っしゃ、作成大成功ー!」
「杉田先生ー!俺らのマドンナ奪ったんだから、絶対幸せにしてやれよー!」
みんな……
まさか、さっきのケンカって、私をこうする為にわざとやったこと…?
その思いを込めてかーくんを見ると、イタズラっ子のような笑顔を返された。
……やられた。