hikari【短編集】
かーくんにお姫様抱っこされたまま階段を降り、みんなの側に行ったところでようやく降ろされた。
「かーくん、大丈夫…?」
「…ん?何が?お前軽すぎて、何か持ってる気しなかったぞ。変だよな…子供もいるのに。」
嘘ばっかり。
軽すぎなんてあり得ない。
けど、今ここで文句を言ってもかーくんは聞かない。
それをわかってたから、私はそれ以上何も言わなかった。
「希先輩、本当びっくりしましたよー…まさか、結婚のお相手が杉田先生だったなんて……」
その時、ブーケを取った後輩が私に話しかけてきた。
「私もです。悠哉先輩に連絡もらった時、またいつもの冗談じゃないかと…」
「…何だよ?お前ら、俺の情報はそんな信用ない訳?」
久しぶりに全員が集まった元バスケ部は、とても懐かしくて賑やかだった。
なんだか…
あの頃に戻ったみたい。