hikari【短編集】
私はその翌日、かーくんに直接会って、妊娠したことを伝えた。
やっぱりかーくんは戸惑いながらも喜んでくれて、私もすごく嬉しかった。
そしてその日の晩─
「あら?あなたは…」
お母さんは玄関先でかーくんを見るなり、不思議そうに首を傾げた。
「どこかで会ったこと…ありましたかしら?」
「え…あ、あぁ…そう、でしたっけ…?えっと…」
たじたじなかーくんを見ながら、私は思い出していた。
確か…
かーくん、一度私の家に来て、お母さんに会ったことあるよね。
でも…
かーくんは、そのことを全く覚えてないみたい─
「まぁ…どっちでもいいじゃん、そんなこと。ほら、上がって?かーくん。」
かーくんとお母さんの間の微妙な空気を遮るように、私はかーくんの腕を引っ張り、リビングに向かった。