hikari【短編集】
相変わらずのお義兄さんに少し呆れていると、いつの間に戻って来たのか、かーくんが隣にいた。
そして、私や後輩たちをお義兄さんから遠ざける。
「よっ、一真!お前もそれ、似合ってるぞ?」
「……黙れ。」
かーくんとお義兄さんは仲が悪い…というか、かーくんが一方的に嫌ってる。
爽やかな笑顔を浮かべるお義兄さんとは対称的に、さっきよりも断然と不機嫌そうな顔のかーくん。
「へぇー…先生、お兄さんいたんですね。知らなかったなー…」
「すごいイケメン兄弟……ねぇ?希先輩。」
かーくんがお義兄さんに威嚇しているそのすぐ後ろで、後輩たちは楽しそうに話をしている。
「あはは…」
「ふーん…話には聞いてたけど、あれが杉田の兄ちゃんか。…希、正直兄ちゃんの方がカッコよくねぇ?」
もう笑うしかない私に、悠哉がこっそり耳打ちしてきた。
「んー…確かにお義兄さんもカッコいいけど…」
「お!?希ちゃん、今俺のことカッコいいって言った!?嬉しー!」
「だから黙れって。」