hikari【短編集】
結局誰も来なかったけど、恥ずかしいのには変わりない。
しばらくして、やっと離れてくれたかーくんをちょっと睨み付けてみる。
「希、怒ってんの?」
でも大して効果はないようで、かーくんは普通に笑ってる。
「…ここはやだ。もう帰る。」
「はいはい。じゃ、続きは家でな。お姫様?」
口でも何でも、私がかーくんに敵うことはない。
怒ってるというか拗ねてた私は、諦めて差し伸べられたかーくんの手を握った。
「…これからはずっと一緒だからな?希……」
帰り道、繋がれた手に力を込めてかーくんが小さな声で呟いた。
「うん……」
色々あったけど、今日やっと結婚式を迎えた私たち。
「死が2人を別つまで愛し続けますとか…よく言うじゃん?」
「……?」
よく言うかな…?
私が首を傾げていると、かーくんは笑って続けた。
「俺はそんなの無理だと思う。死んでも希だけ。」
「もう……バカっ!///」
未来へ続く2人の絆。
それは…
かーくんの言う通り、『死』という期限も無視出来るくらい、強いものだって私は信じてるよ?
だから……
「…愛してる。」
いつまでも、あなたの隣にいさせて下さい。
―END―