hikari【短編集】
希……
「…かーくんは人一倍優しくて頼りになるけど、実はすごい寂しがり屋さんだってこと、私はちゃんと知ってる。」
そう言いながら、希は俺をギュッと抱きしめる。
「だから、私がずっと側にいる。…この子も一緒。かーくんはもう1人じゃないから大丈夫。……ね?」
弱気な俺を必死に慰めようとしてくれている健気な希に、俺の涙腺は再び崩壊した。
「あー…また泣いてる。もう…大きな子供みたい。」
「……っ、…!」
それから希は、俺が再び落ち着くまでずっと側にいて声をかけてくれたり、抱きしめたり、手を握ったりしてくれた。
いい奥さんをもらったな…俺。
希にそうされるうちに、俺はさっきの夢の恐怖をだんだんと忘れていっていた。