hikari【短編集】
「…もう平気?」
「うん……」
再び落ち着いた俺。
時計を見て時間を確認したら、急に眠くなってきた。
なんせ……
今は深夜3時だからな。
「明日…っていうかもう今日だけど、仕事もあるんだし、ちょっとだけでも寝た方がいいよ。」
「………」
希の言うことは最もだけど、正直俺は寝たくない。
またあの恐ろしい夢を見てしまうような気がして…
「…怖い?」
返事をしない俺の気持ちがわかったのか、希は心配そうに俺の顔を覗き込む。
「寝たくない……」
ますます子供のようなことを言う俺に、希はクスッと笑って手を握った。
「……?」
「じゃあ、私がずっと手握っててあげる。また夢見ても、私が連れ戻すから。」
希……
「…ありがとう。」
それから朝までの間、俺たちはずっと手を握り合って眠ったのであった。
―END―