hikari【短編集】
お母さんの言葉に、私は自分の顔が真っ赤になっていくのがわかった。
もう…
恥ずかしいよ─
「私はね…先生?あなたと一緒になることがこの子の幸せなら…反対はしたくないんですよ。」
お母さんは、不安げなかーくんに向かって優しく微笑むと、さらに言葉を続けた。
「私は母親として、この子の幸せを一番に考えたいと思っているの。わかって…もらえるかしら?」
お母さん…
「…はい。」
お母さんの言葉を黙って聞いていたかーくんは、私の手の上にそっと自分の手を重ね、包み込むように握った。
「かー…くん?」
「希さんは…僕が必ず幸せにします。それに、お腹の子供も…必ず。」
「…その言葉が聞けて嬉しいわ。希、よかったわね。こんないい人に出逢えて。」
お母さんはそう言うと、いつもより優しい笑顔を私たちに向けてくれた。