hikari【短編集】
それからというもの、お兄ちゃんは私がパパといると色々理由をつけて邪魔をしてくるようになった。
「やーだっ!」
「いーだろ!?オレの方が宿題難しいんだから!結愛はお母さんに聞けよっ!」
「……っ、もう!お兄ちゃんのバーカっ!!」
こうやってパパの取り合いでお兄ちゃんとケンカすることもほぼ毎日。
今日は特にそれがひどくて、ユウは泣くし、パパは困った顔をしてた。
「2人共、いい加減にしなさい!!……もう、かーくんも何とか言ってよ。」
「んー……」
見かねたママがユウたちのケンカを止めて怒る。
「俺、大人気だなー…」
「…何言ってんの。」
「いや、幸せだなーって思って。…ほら、結愛。もう泣かなくていいから。茉央は結愛に謝って。」
パパは呆れたママの視線を受けながらそう言って、大きな手でユウの頭を撫でてくれた。
そして、機嫌が悪いお兄ちゃんに謝るようにと優しく言った。