hikari【短編集】
先はわかりきっている。
一真が希ちゃん以外の女に靡くはずなんてない。
あんなに苦労して結ばれた2人なんだからな─
「ま、そんなの別にどうでもいいじゃん。今まで通りにしてたら、渚ちゃんもそのうち諦めてくれるからさ。」
「んー……そだなっ!」
確信はないが、俺は一真の興奮を鎮めるためにそう言った。
すると、一真は納得したのかそれ以上何も言わなくなり、机に顔を伏せた。
「……一真?」
あまりにも静かになりすぎた一真に声をかけるが、何の反応もない。
まさかこいつ…
寝たのか?
「はぁ……」
ったく…
しょうがない奴だな─