hikari【短編集】
結局、俺の結婚祝いというか一真の愚痴大会になってしまった飲み会は、当の一真が寝てしまって強制終了。
酒には強い方だし、まだ余裕があった俺は、寝てしまった一真を家まで送ろうとタクシーを拾った。
数十分後、一真の家に着いた俺は、夜も遅いからインターホンを押すのはやめて、ドアを数回ノックした。
「…こんばんは、藤崎先生。すいません…わざわざありがとうございます。」
すると、事前に連絡を入れていた希ちゃんがすぐに玄関先まで出てきてくれた。
「いや、大丈夫……なような、そうでもないような。」
「……え?」
「あ…いや、何でもない。」
今日の一真の酔いつぶれっぷりを思い出し、少し鳥肌の立った俺を希ちゃんは不思議そうに見ていた。