hikari【短編集】
佳純にも今日のことは連絡を入れていたし、遅くなることも知っている。
その時俺は『先に寝てていいから』と言ったんだけど、佳純は『待ってる』と言って聞かなかった。
『歩いて帰るって……陽翔くん、大丈夫なの?今から迎えに行こうか?』
「いや、いいよ。そんな遠くないし、すぐ着くから。」
実は一真の家と俺の家は大して離れてないのだ。
歩きだと…
20分ぐらいで着く。
『…でも心配だよ。陽翔くん、飲んでるんでしょ?いくらお酒強いって言ったって……』
俺は大丈夫だって言ってるのに……佳純は本当に心配性だな─
「佳純……」
『今から行く。場所どこ?』
ここまで来ると、佳純は説得には応じない。
俺は諦めて今いる場所を佳純に伝えた。