hikari【短編集】
「陽翔くんっ!」
しばらくして、佳純は本当に俺を迎えにやって来た。
電話を切った後、また少し歩いたからさっき言った場所よりは進んでて、佳純とは鉢合わせみたいな形になった。
「佳純…来るのはいいけど、お前も歩きかよ?」
そしてびっくりすることに、佳純は歩いて俺のところまでやって来たのだ。
「はぁ…はぁ…っ、歩きじゃないよ……走ってきた。」
「あのなぁ……」
どっちでも一緒だよ。
「…いいの、別に!さ、早く帰ろう?陽翔くん。」
佳純の言い訳に呆れていた俺に構うことなく、佳純は俺の隣まで来て腕を組んだ。
「……ったくお前は、しょうがない奴だな。」