hikari【短編集】
それから俺たちは、ゆっくり家までの道を歩いた。
「なぁ…佳純。」
「…ん?」
「俺…さ、お前のこと…絶対幸せにするから。」
その道中、突然思い浮かんだ言葉を佳純に伝えた。
「陽翔、くん…?」
「…愛してる。」
そんな俺を何事かと不思議そうに見上げる佳純に笑いかけ、そのまま無防備な唇を塞いだ。
「…っ!///」
「佳純…顔、赤いぞ?」
「もう…っ!陽翔くんのバカっ!!」
キスの後、顔を真っ赤にする佳純を面白半分でからかうと、佳純はそう言って俺を置いて前へ走って行ってしまった。
いつもの照れ隠しだろう。すぐ戻って来る……そう思った俺は、逃げた佳純を追いかけることはしなかった。