hikari【短編集】
「う…うん、大丈夫。それよりどうしたの?」
今はお昼過ぎ。
かーくん、まだ学校にいるはずなのに…
『いや…今空き時間でさ。突然、希の声が聞きたくなって。』
「………」
もう…かーくんったら、さりげなく爆弾落とさないでよ─
我慢しようと思ってたのに、余計に会いたくなっちゃう……
『希…今どこ?』
「ん?学校だけど…?」
私は今、美容の専門学校に通っているんだ。
お母さんのお姉さん…叔母さんが美容師をやってて、小さい頃から叔母さんに憧れてた私は、迷わずにこの進路を選んだ。
将来は美容師になれたらいいなって、そう思ってる。
『…そっか。いつ終わる?』
「え…?あぁ…18時には終わるよ。なに?」
『迎えに行くから。帰らずに待ってろ。…それだけ。』
「ちょっ…かーくん!?」
一方的にそう言われ、電話は切れてしまった。
「……?」
訳がわからないまま、私は携帯をただ見つめていた。