hikari【短編集】
迎えに行く……
「…希?」
それって…
かーくんに会えるってことだよね?
「のーぞーみー!!」
「…わっ!!な、なに?」
ずっとかーくんのことを考えてたせいで、私を呼んでいる友達の声が聞こえていなかった。
「あっちゃー……」
そして、今が実習中なのも忘れていて、友達の大声に驚いた私は手元が狂い、マネキンの髪を大量に切り落としてしまった。
「篠原さんっ!!」
「ごめんなさいっ!!」
先生に怒られ、友達に哀れみの目で見られ、もう今日は踏んだり蹴ったりの実習だった。