hikari【短編集】
「でもさー、あのイケメンさんが高校の先生なんでしょ?あり得なーい!」
この友達は学校の中で一番仲が良いから、かーくんのことはちゃんと話してある。
でも…
昔の冷徹時代のことはさすがに言えなかった─
「あーあ…私も希と同じ高校だったらよかったのにぃ…」
「あはは…」
それ、今のかーくんしか知らないから言えるんだよ…
♪♪♪〜…
友達に向かって心の中で言っていると、携帯が鳴った。
この音はメール。
「なに?彼氏ぃー?」
「…うん。もうすぐ着くって。じゃ…またね。」
「バイバイ、希。……頑張るんだよー?」
何を頑張るの…?
意味深な笑みを浮かべた友達に見送られながら、私は学校の外へ向かった。