hikari【短編集】
何の日って……
「…恋人の日?」
別に記念日でもないし、それ以外に思いつかなかった私は、戸惑いながら答えた。
「あははっ…うん、そうだな。そう答えると思ったよ。やっぱり希は期待を裏切らないな。」
でもかーくんの反応は予想外で、何が面白いのか私の顔を見て笑っている。
「どういう…意味?」
「…んー?あぁ…今日が何の日かって話だったな。希……覚えてない?」
何を……?
私は首を傾げる。
「3年前の今日……」
3年前─
…全てが始まった年だ。
「お前、部活中にため息ついた俺に言ったんだぞ?『先生、お疲れですか?チョコでも食べます?』って。…お菓子なんて持って来たら没収されんのに。」
「嘘……」
そんなこと…あったっけ?
必死に思い出そうとしている私を見て、かーくんはまた笑い出した。
「まぁ…没収とか面倒だし、ありがたくもらっといたけど。…思い出した?」
「えっ……と、」
正直……
全然ダメです。