hikari【短編集】
「そんなの…やだよ!ねぇ、お母さん。どうしたらいいの?」
私の妊娠は、かーくんだけの責任じゃない。
それに、妊娠したからって、ただそれだけの理由でかーくんと結婚したい訳じゃないもん。
かーくんが好きだから…
愛してるから…
ずっと…一緒にいたいから─
「私は…あなたたちの味方よ。出来るだけ…力になってあげたいわ。けど、こればっかりは……」
そんな…っ!
「そうだよ…希。お父さんが怒るのは、当たり前のことなんだ。それを恐れてたら、どうにもならない。」
かーくん…
「大丈夫だって。殴られることぐらい、覚悟の上だから。希は心配しないでいい。俺、頑張るから。お父さんに認めてもらえるように…」
かーくんはそう言うと、私の頭を優しく撫でてくれた。
「一緒に頑張ろうな…希。」