hikari【短編集】
「んー…甘い。」
しかもかーくんは、私の口の中のチョコを自分の舌を器用に使って取って行ったのだ。
さっきの出来事で少し息切れした私に、満足そうに笑うかーくん。
これがしたかったのか…
「…普通に食べればいいのに。」
「いや、無理。それだと思い出になんないだろー?」
うーん…
なんか納得いかない。
「これでもう今日のこと、一生忘れないよな?チョコ記念日ー♪」
「………」
恋人の日より大切…か。
やっぱり少し納得いかないけど、かーくんが楽しそうだからいいや。
それに…
どんな理由であれ、約束してなかった日にこうして会えた訳だし。
「かーくん。」
「…んー?どしたー?」
「今日泊まって行っていい?晩ご飯、久しぶりに作ってあげる。」
「マジか!?やったー!!じゃあカレーな?」
「うん!」
今日1日は……
愛しい人の側にいたい─
世の中の恋人たちに、幸せが訪れますように……
―END―