hikari【短編集】
☆パパVS息子!? side kazuma
夢にも思わなかった。
まさか…
こんなにも早く、自分の息子と勝負する日が来ようとは─
「…茉央、とにかく考え直せ。パパ、今なら何もかも聞かなかったことにして許してやるから。」
「……?」
「ちょっと…かーくん?」
ある日の夜。
不思議そうな顔をして俺を見上げる茉央の真正面に座り、俺は真剣に話している。
「何本気にしてるの…普通に考えたらわかるでしょ?……もう。」
そんな俺に、希は呆れたようにため息をつく。
「いや…希。これは大問題だぞ?ライバルが息子だなんて……」
「……バカ。」
小さく呟かれたその言葉はこの際無視するとして、俺はもう一度茉央に視線を向けた。
俺と目が合うと本当に嬉しそうに笑う茉央……
思わず抱きしめたくなるが、今日はぐっと我慢だ。
「茉央…いいか?よく聞け。希は……ママは、何があっても渡さないっ!」