hikari【短編集】
「…初めまして。」
リビングに着くと、かーくんがお父さんの方を向き、挨拶をした。
「希、彼氏って…こいつか?」
「うん…そうだよ。」
「随分年上に見えるが…?」
「はい…僕は、希さんとは8つ離れてます。」
かーくんはお父さんから目を反らすことなく、はっきりとそう言った。
「……お仕事は?」
「高校で…社会科の教員をしています。」
「先生…?」
「はい。」
さっきとは比べ物にならないくらいの重い空気に耐えきれず、私はお母さんのところに歩いて行った。
お母さんも心配そうに2人の様子を眺めている。
「では…うちの希とは、どこでお会いに…?」
「…僕が前に勤めておりました、希さんが通っていた高校です。」
かーくんの答えに、お父さんは目を丸くして絶句した。