hikari【短編集】
正直、俺は初め、杉田のことを嫌っていた。
けど、希を大事にしている杉田を見ているうちに、そんな気持ちはだんだん薄れていった。
それに…
教師としての杉田も、いつの間にか尊敬していた。
なぁ、杉田。
俺…お前みたいになりたい。
自分がどうなったとしても、大事な人は守り通すという、強い意志を持った人に─
「帰ろう、希。」
「…うん。」
俺、決めたぜ。
もうすぐ高3だけど…
進路変更する。
杉田に近付く為に、心入れ替えて勉強してやる。
そして、そのついでと言っては何だけど、お前の大事なお姫様も、俺が守ってやるよ。
だから…
安心して任せやがれ!
それから…
早く帰って来いよ。
そう思いながら、俺は希の隣を歩いていた。
―END―