hikari【短編集】
「俺は…許さないぞ。」
えっ…?
「そんなのは…絶対認めない!!!」
「あなた…っ!!」
お母さんの制止を振り切り、お父さんは家から出て行ってしまった。
まさか…
こんなことになるなんて─
「はぁ…ごめんなさいね、一真くん。あの人、融通が効かなくて……」
「いえ…まぁ、僕もそう簡単に認めてもらえるとは思ってなかったですから…希、大丈夫か?」
お母さんと少し話した後、かーくんは私の顔を覗き込んだ。
「ごめん…希。あんなこと言わせちゃって…辛かっただろ?」
あんなこと…
さっきのことか─
「…ううん。あれは…かーくんのせいじゃない…お父さんが…っ、かーくんのこと、悪く言うからぁ…」
「そうね…あれはさすがに私も許せないわ。けど、お父さん…一気に色々と言われたから、混乱しちゃったのかもね。」
もしそうだとしても、私はお父さんを許せない。