hikari【短編集】
私は今日はとりあえず、かーくんの家に泊まることになった。
『お父さんのことは、お母さんに任せなさい。』
私が今日はお父さんと顔を合わせたくないと言ったら、お母さんがそう言ってくれて、挨拶はまた後日、改めてすることにした。
「やっぱり無理だったかぁ……俺、相当怒らせちゃったな、お父さんのこと。」
家に着いて、最初にかーくんが発した言葉はそれだった。
「俺は教師で、希とは8つも離れてるし、在学中から付き合ってるし、それに妊娠させた〜なんて、嫌われる要素たっぷりだよな…」
「かーくん…」
「ごめんな…希。嫌な思いさせちゃって、また泣かせて…最低だな、俺。」
そんなことない─
かーくんは、お父さんに認めてもらおうと、必死に頑張ってくれたのに…
悪いのはお父さんだよ。
そんなかーくんの気持ちも知らないで、あんなひどいこと言って…
「でもさ、希。俺、認めてもらうまで頑張るから。」