hikari【短編集】
そして、初めて挨拶した日から約2週間後のこと─
「「お願いします!!」」
「はぁ…毎日毎日、本当に飽きないな、お前たちは。えっと君は……一真くん、だっけか?」
え…?
お父さん、さっき初めてかーくんの名前を言った!
「あ…はい!!」
「君はしっかりしてるな…一向に折れない。強い芯を持った男だ。」
お父さん…
名前を言っただけでなく、初めてかーくんに対してプラスの言葉を発した。
「こんな俺にずっと頭下げて…そんなにうちの娘が欲しいか?」
「はい!!」
かーくんが元気よく返事をすると、お父さんははぁ…とため息をついた。
「…仕方ない。君の強さに面食らったよ。これから色々迷惑かけると思うけど、娘を…頼むよ、一真くん。」
やった…
認めて、くれたよね?
お父さんはそう言った後、照れくさそうにリビングを出て行った。