hikari【短編集】
一真は、俺とは5歳も年の離れた弟だから、余計に可愛かったのかもしれないけど。
いつからかな…
こんな生意気な口を利くようになったのは。
俺ん家は親父が早くに死んでいないから、一真に対しては少しだけ、父親のような気持ちもあるんだ。
「あ〜あ…じゃあ俺は、叔父さんになっちゃう訳だ。なぁ?一真。」
一真に声をかけると、まためんどくさそうな顔をする。
「…まぁ、そうなるな。」
「私には兄弟がいないので、響輝さんが唯一のこの子の叔父さんですね。」
俺だけ?
なんか…嬉しいな。
んで、希ちゃんは俺にすっげぇ優しいし─
一真とは正反対だ。
「なぁ、希ちゃん。甥っ子かな?姪っ子かな?」
「…まだわかんないんです。実は、生まれるまで性別は聞かないでおこうと思ってて…」
生まれてからのお楽しみ…か。