hikari【短編集】
「希ちゃん、今…幸せ?」
こんなの、今から結婚しようとしてる人には愚問だと思うけど─
「そんなの当たり前だろ!何聞いてんだよ、兄貴。」
「お前じゃない。希ちゃんに聞いてんの。ねぇ?」
「ははは…そうですね。すごく幸せですよ、私。だって、かーくんとこの子がいるから…」
一真は、希ちゃんには『かーくん』という愛称で呼ばれてる。
呼ばれた方の一真は、照れてるようで、笑って誤魔化していた。
にしても…
笑顔、増えたよな。
これも希ちゃんのおかげなのか、生まれてくる子供のおかげなのか…
「…ありがと、希ちゃん。」
「「え?」」
俺が突然お礼を言うから、2人が揃って反応した。
「こんな弟だけど…末永くよろしくね。一真、希ちゃんと子供のこと、しっかり守るんだぞ?」