hikari【短編集】
そんなこと…
ある訳ないだろ─
「いや…そんなことない。すげぇ嬉しいよ。ありがと…希。」
「うん!あ、あとね…」
俺の隣に座った希は、下を向いて頬を赤らめながら、何かを言おうとしている。
「ん?どうした?」
「まだ…プレゼント、あるの。今日…泊まってもいい?」
泊まるなんて…別に今日が初めてな訳ではなかった。
でも…
希の様子は、いつもとは明らかに違っていた。
「別に…いいけど。ちゃんと家に連絡しろよ?」
希の様子が気にならなかった訳ではないが、俺は泊まることを許した。
「…うん、ありがと!」
希は俺に笑ってそう言うと、携帯を取り出し、早速お母さんに電話をかけ始めた。