hikari【短編集】



もうその後は…
俺は希しか見えない、希だけに夢中だった。



まさか希からあんなこと言ってくるとは、思ってもみなかった。



今まで変に遠慮してたのが嘘みたいに、俺はその日、希の全てを愛した。









「…………」



そして今─



希は俺の腕の中、安心しきった顔で眠っている。



「希……」



声かけても起きない。
まぁ…仕方ないか。



「……愛してるよ。」



でもとりあえず、俺は希を起こさないように小さな声で呟くと、希の唇に軽くキスを落とした。



「んんっ……」



すると希は、俺のいる方に寝返りをうち、そのままギュッと抱きついてきた。



「…………」



部屋にはクーラー効いてるし、抱きつかれてもそんなに暑くないんだけど…



正直…
ちょっと離れて欲しい。



「えっ……と、」



その格好でそんなことされたら……俺が寝れない。



「か……ず、ま…っ…さん……」



…ん??











< 46 / 237 >

この作品をシェア

pagetop