hikari【短編集】
もうその後は…
俺は希しか見えない、希だけに夢中だった。
まさか希からあんなこと言ってくるとは、思ってもみなかった。
今まで変に遠慮してたのが嘘みたいに、俺はその日、希の全てを愛した。
「…………」
そして今─
希は俺の腕の中、安心しきった顔で眠っている。
「希……」
声かけても起きない。
まぁ…仕方ないか。
「……愛してるよ。」
でもとりあえず、俺は希を起こさないように小さな声で呟くと、希の唇に軽くキスを落とした。
「んんっ……」
すると希は、俺のいる方に寝返りをうち、そのままギュッと抱きついてきた。
「…………」
部屋にはクーラー効いてるし、抱きつかれてもそんなに暑くないんだけど…
正直…
ちょっと離れて欲しい。
「えっ……と、」
その格好でそんなことされたら……俺が寝れない。
「か……ず、ま…っ…さん……」
…ん??