hikari【短編集】
★再会 side yuya
「あ〜っち〜ぃ!!」
「…うるさいよ、悠哉。」
連日続く、茹だるほどの猛暑。
耐えられずに叫ぶ俺に、幼なじみの希は、冷たい目を向けながら言った。
「もうすぐ着くから。ほら、早く歩いて!」
「希…お前、暑くねぇのかよ?はぁ…ヤバイ、マジ倒れるって…」
「そう言ってるうちは大丈夫だよ。着いたら私のアイス、あげるから。」
「マジか!?よし!!」
この暑さの中、アイスという単語が俺のやる気を沸き上がらせた。
「って……んん?」
ちょっと待てよ…
「なによ?」
「なぁ…希。俺たちが今から行くのって、杉田ん家だよな?」
「うん、そうだよ。」
「な〜んでそこにお前のアイスがあんだよ?変だ!」
杉田の家に希のアイスなんか、ある訳ないだろ!!
「はぁ…悠哉。あんた…やっぱりバカなんだ。」