hikari【短編集】
え…?
「かーくんが異動になってからの悠哉、見違えるくらいだったのに…やっぱり中身はそのままか。」
呆れたようにため息をついた希は、俺を置いてさっさと歩き出した。
「ちょっ…待てよ、希!」
少し遅れを取った俺は、慌てて希の後を追う。
「悠哉……あんたさ、私たちのこと、何だと思ってんの?」
「ん…?彼カノ。」
当たり前だろ。
散々見てきたし?
「じゃあ、その…彼氏の家に私が何を置いてても、不自然じゃないでしょ?」
「あ…そっか!だから杉田ん家に、希のアイスがあんのか!!」
疑問、解決♪
すっきりした〜
「はぁ…本当バカバカしい。こんなのもわかんないの?マジあり得ない…そんなんじゃ、いつか灯里【アカリ】ちゃんに嫌われるよ?」
「おい、今ここに灯里は関係ないだろ!?」
あ…
灯里ってのは、俺が大学で知り合った同じサークルの奴。
まぁ…今は知り合いっていうより、彼女…なんだけど。
「はいはい、わかった。てか悠哉、着いたよ。」
そんな感じで、俺と希はやっと杉田の家の前までやって来た。