hikari【短編集】
希を抱きしめていた手を離し、俺は聞いた。
茉央…
それは、俺の愛する子供の名前。
「茉央?…寝てるよ?」
さっき寝かし付けたばかりだから…そう言って、希は少し笑った。
「見に行ってもいいけど……起こさないでね?」
寝室の方を見ていた俺を見てそう言うと、希はキッチンに戻って行った。
よし…!
希の許しも出たし、俺はすぐに寝室に入った。
「………茉央。」
ベビーベッドの上。
茉央は静かに眠っていた。
俺が声をかけても起きる様子はなく、定期的な寝息を立てている。
可愛いなぁ……
そう思いながら近寄り、俺は茉央の頬をそっと指で触ってみた。