hikari【短編集】
何の反応もない茉央。
こりゃ…完全に寝てるな。
ちょっと面白くなってきた俺は、次に茉央の小さな手に自分の指を置いてみた。
すると、茉央は寝ながらも俺の指を握ってきた。
やっぱり可愛い……
そんな茉央を見てると、自然と笑顔になってくる。
早く『パパ』って呼んでくれないかな?なんて思ったりもする。
まだ生まれたばっかりなのに…
「…かーくん?」
そんなことを考えていると、希が寝室にやってきた。
「あのさ、希……」
「ん?」
「茉央……すげぇ可愛いな。」
俺が急にそんなことを言い出したからか、希は面白そうに笑った。
そして、こう言った。
「そりゃそうだよ、かーくん。だってさ、茉央は…私たちの子供なんだから。」