hikari【短編集】
★子守唄 side kazuma
「♪♪〜♪、♪〜♪♪…」
「一真、何?その歌…」
放課後の職員室。
俺は日本史の教科書を読みながら、ボーッとしていたようだ。
同じ職場の同僚で友達の藤崎 陽翔【フジサキ ハルト】の声がして、ハッと我に帰る。
「…ん?何が?」
「何がって……さっきまでお前が歌ってたやつだよ。ほら、こんなの。」
陽翔が鼻歌で歌ったものは、俺のよく知る歌だった。
「あ…俺、歌ってた?うわぁ…無意識だわ。」
「無意識って……まぁいいや。で?何の歌なんだよ?俺…こんな歌知らないけど…?」
知らないのも無理はない。
その歌は、希が作曲したお手製子守唄だからな。
歌詞はないけど…