hikari【短編集】
この歌は、希が茉央を寝かしつける時に偶然生まれた歌なんだけど…
毎日のように聴いていたおかげで、いつしか俺もこの歌を覚えてしまっていた。
今では俺も子供達を寝かしつける時、これを鼻歌で歌いながらやっている。
3歳になった息子の茉央と、生まれたばかりの娘、結愛【ユウア】もこの歌を聴くと落ち着くのか、割とすぐ寝てくれるんだ。
「ふ〜ん……希ちゃんの子守唄、か。なんかこのメロディー、優しくてあったかい感じがするな……」
同感だ。
希は音楽に関しては素人なのに、こんなよく出来たメロディーを作ってしまうなんて…
我が妻ながら、天才だと思う。
「一真〜、戻って来い!まだ仕事残ってるぞ〜!」
「…わかってるよ。」
危ない危ない…
陽翔のおかげでなんとか持ち直した俺は、残りの仕事を片付け始めた。
頭の中では…
あの子守唄が流れていた。