hikari【短編集】
☆風邪 side nozomi
「……38.6。希、一緒に病院行こう。な?」
最近体の調子が悪いな…と思っていたら、案の定で、朝から高熱を出してしまった私─
「ダメだよ……かーくん、仕事…行かなきゃ……」
そう言ったのに、かーくんは首を縦に振らなかった。
「…こんな苦しそうな希を置いていけるか。俺の代わりなら、他の先生に頼めば大丈夫だよ。今から連絡してくるから。」
かーくん……
「あ…お義母さんにも連絡してくる。もし茉央と結愛にうつったりしたら、大変だからな……」
それは、茉央と結愛をお母さんに預かってもらう…ってことだよね?
もう反論してもかーくんは絶対聞かないだろうから、私は頷いた。