hikari【短編集】
もうそんな時間?
でも…
今は何も食べたくない─
力なく首を横に振ると、かーくんは私の額に手をやった。
「でもな…何か食べないと、薬飲めないし……」
じゃあ…
「かーくん……冷蔵庫に、リンゴあるから……それ、食べる。」
「…わかった。ちょっと待ってろ。」
そう言ってからしばらくすると、かーくんがリンゴを剥いてきてくれた。
「はい。」
ベッドから起き上がった私の口元に、かーくんがリンゴを持ってくる。
私はされるがままに口を開き、そのリンゴを食べた。
「美味しい…」
「そっか…よかった。」
食べ終わった後、薬を飲んだ私は、そのまま眠ってしまった─