hikari【短編集】
そんな……
ダメだよ…絶対。
あの時、あんなに辛そうなかーくんを見てるから…
私の風邪をうつしたりしたら、かーくんはまた学校を休まなきゃいけない。
そしたら藤崎先生をはじめ、いろんな先生や生徒さんたちにも迷惑をかけてしまう─
さらに、かーくん自身もあの時みたいに苦しまなきゃいけない…
そんなことは…
絶対に、出来ない。
「ダメ………っ、」
私は熱でフラフラする体をなんとか起こして、かーくんを見た。
その時急にグラッと視界が揺れて、体に力が入らなくなった。
「希!!!」
倒れそうになった私を、かーくんがすかさず受け止めてくれた。
「はぁ……はぁ……」
ダメだ……
頭がガンガンする─