hikari【短編集】
結婚するとなれば、これから大変なことがたくさん待ち受けているだろう。
それでも…
俺は守りたい。
俺に光を与えてくれた大切な人と、その人の中に宿る小さな命を─
それに、俺はもうこれ以上、希を苦しめたくない。
だから…
「…ありがとう、かーくん。」
「希……」
「私…甘えちゃダメだって思ってたの。癖かな…?かーくん、先生だったし。」
やっぱりか…
「ごめんね…私がこんなだから、心配…かけちゃった。」
「いいよ…これからいっぱい甘えてくれれば。俺もお前が体調悪いの気付けなかったし……悪かった。」
それから俺たちは、お互いにずっと謝り続けてた。
このまま放ってたら、すれ違ってしまっていたかもしれない。
よかった…
もしかしたら、お腹の子供が教えてくれたのかもな─
『パパ、ママを助けて』って…